過去ログ - キョン「ペルソナ!」 アイギス「FESであります!」
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74:名無しNIPPER[saga]
2014/12/31(水) 21:17:48.52 ID:gIGEqEoto

「おいおいおい、マジでか!」

世の中、どうしてか、いやな予感ほど良く当たるものだ。まるで伊織の呟きに大手をふるって返事をするかのように、そいつは現れた。

たった今まで、満月の昇った漆黒の空を見渡せたはずの窓の外に、巨大な異形の姿があった。円盤のような物体に、四肢を磔にされた、仮面を被った巨人が、上空から大地に向かって、ゆっくりと降下してきている。
まるで、罰を受けている最中の囚人のごときその姿。伊織、まさかこいつも知ってるやつなのか。

「マジかよ、色々すっ飛ばしてねえかっ!?」

伊織さん絶叫。どうやら予想通り、心当たりがあるらしい。
俺は、窓を開け、身を乗り出し、大地を見下ろした。いつの間にか、随分下層まで戻ってきていたらしい。せいぜい階にして五階というところか。
窓の下には、見慣れた、中庭の風景が広がっており、その中庭の隅に、見慣れた人物の姿があった。。

「朝倉!」

声が届いたのか、目下に佇み、徐々に降下してくる巨人を見上げていた人影が、俺のほうに視線をやる。朝倉だ、間違いない。その朝倉の傍らには、もう一人、小柄な人影がある。こちらは、俺には見覚えが無い。

「天田じゃねえか!」

一方、俺の背後から、中庭を見下ろしていた伊織は、逆にそちらの人影には見覚えがあったようだ。

「やっべぇ、俺らも行かねーと!」

と、一言。その後、伊織は数歩窓から離れ、頭に被った野球帽の後ろと前をやおら入れ替える。まさか、飛び降りる気か。マジか。と、一瞬の躊躇が俺の胸を過ぎる。しかし、確実に追いつくには、それしかあるまい。
覚悟を決めて、俺は窓枠に足をかける。風が冷たい。震えてるのは寒いからだけである。

「今行くぜ!」

斜め後ろの伊織が声を上げ、足が助走を踏む音が聞こえた。


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