12:名無しNIPPER[sage]
2014/12/31(水) 20:31:34.75 ID:KvG+T8iK0
外は雪が積もってはいるが、もう止んでいた。
ただ目の前に広がるのは誰も足跡をつけていない白い道。
私と黒桐はその白い道に足跡を付けて、ゆっくりと歩いて行った。
くしゃりと雪が沈む音が聞こえる。私の隣では黒桐が白い息を吐きながら歩いている。
辺りには誰もいなく、二人だけの世界の様に想えた。
私と黒桐は他愛もない話で笑いながらお互い白い息を吐きながら道を歩いていく。
私の手にはナイフじゃなく黒桐の手が握られている。
寒さや暑さには強い私だが、握ったこの手の暖かさは正直まだ慣れない。
ただ今時間をかけて慣れて行くしかない。
だったら――来年の今頃もきっとこうしているだろう。
そう思うと私はなんだか楽しくなり、黒桐の手を引いて軽やかに歩いていた。
道は白く、先は見えない。
<了>
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