3:名無しNIPPER[sage]
2014/12/31(水) 20:20:44.15 ID:KvG+T8iK0
「家は堅苦しくて嫌なんだ。幹也の所へ行ってもよかったが、鮮花に噛みつかれるのはのは嫌だからここに来た」
橙子は口から煙草を離し、背もたれに背中を任せて天井を向いて煙をゆっくりと吐いていく。
吐き終えて、私の方をみた顔は口の形が三日月へと変化していた。何って意地悪な奴だ。
「……なるほど。まぁ、家が嫌なのは私も同じだ。妹となんか特に関わりたくないものだ」
「橙子妹いるのか?」
「ん? ああ、世間で言うショタコンって奴だろうけどな。身内が不祥事で警察の世話にならなければいいがな」
橙子は煙草にもう一度口をつけて、窓を見た。
私も釣られて窓を見る。
外にはひらひらと白い球がゆったりと降っていた。雪が降っていた。
「雪か。全く天気も、もう少し休んでくれたっていいのにな。……そうだ、式。お前暇だったな」
「ああ、仕事くれるのか?」
「いや、私の話し相手だ」
「なんだ。俺寝るから帰るとき起こしてくれ」
「そういうな。式。なんだったなら、もう私は帰ってもいいんだぞ」
「……いいよ。聞いてやる」
全く年末まで嫌な奴だ。
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