過去ログ - 男「あのな、俺ってば単純だから」 少女「そうですねぇ」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/01/01(木) 03:47:23.78 ID:dPqUrijH0
そうだ、この娘がうちに来たばかりのことを今思い出した。
あの頃は少女も、今のようにはいかなくて、
たった一度の出来事で、両親を失ったことがショックで。僕の第一印象は根倉な女の子、だったかな。
少女「去年の今頃…あなたは私に言ってくれました。過去を想うのは良いことだ、でも過去に囚われるのは自分を苦しめるだけだ……って」
少女「男……いや、叔父さんはそう言って私に本を与えてくれました。本は過去のものだけど、不思議と前を向いているからっ…て」
少女「今でもその贈り物は大切にしています。私に世界を与えてくれたものだから……」
僕は歩くのを止めて、少女と向き合った。
少女「だから、その…ええと……叔父さん?」
男「少女」
ギュッ
少女「わっ! ちょっ…叔父さん!?」
堪らなく愛しい────自分の娘を、
僕は想いの分だけ強く確かに抱き締めた。
少女「痛い痛い! ……痛いよぉ、おじさん…ぐすっ」ポロポロ
男「…少女は痛くて泣いているのかい?」
少女「ち、違うの……」ブンブン
少女「お父さんも、お母さんも居なくなった時からずっと、ずっと寒かったのに……」
ギュッ
少女「暖かいよ…叔父さん……」
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