321: ◆Nbi4DgASvs[sage]
2015/02/22(日) 20:57:50.81 ID:/m34ZBCK0
下方に視線を落せば、パラメイル編隊の後方より水しぶきを挙げ海上を進む機体の姿が一つ。
宵闇の中であって、その存在感を余す所なく発揮する紅色の装甲は見間違う筈も無く。
ヒルダ「…何よ、アレ。あんなデカいナリしてて満足に空も飛べないの?」
確か前の戦闘ではもっとこう…良くは見て取れなかったがグイグイ動いていたような気がするが。
敢えてそうしようとしてないのか、それとも前回が特別だったのか。
ヒルダの目には、眼下の巨人(といっても今は小さく映っているが)が鈍重な亀にしか見えなかった。
キョウスケ『―――…申し訳ありません副長、遅くなりました』
すると、当の本人から(音声のみだが)通信が入った。
どこまでも抑揚の無い、鉄か何かとでも会話しているような硬質な声。
紛れもなくあのキョウスケとか言う男のノーマのものであった。
ヒルダ「重役出勤とはいいご身分じゃあない?」
キョウスケ『すまんな、道が混んでてな』
ヒルダ「……はぁ?」
なんだそりゃ、洒落のつもりか。
からかってやろうとしたのはこちらからだが、余りにもらしくないその言葉に、続ける機先が削がれてしまった。
この男、ムッツリしているようでいて実は結構ノリの良い方なのか?
まぁ、どうだとしてもアタシには知った事じゃあないが。
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