過去ログ - バゼット「――私も、貴方の家族にしてください、士郎君」
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11: ◆bU0CD2Homw[sage]
2015/01/03(土) 09:17:37.57 ID:H7PKXE/v0



「あら、どうしたのバゼット。愛しの彼と語らえなくて残念?」


「だから、何度も言っているでしょう。そこにいるだらしのない男など、私は全く興味はないと」


「何だよバゼット、つれねえな。こっちはちょっとの間だったとはいえ、アンタとつるんでるの、結構好きだったんだぜ?」


「いえ、別にその、私の方も楽しくなかったわけではなくてですね……」


 ふと、邪悪な気配に気づいて口を止める。

 横に目をやると、そこには蕩けそうなほどいい笑顔を湛えた白いシスターがいた。

 
 ……ああ、なんて生気に満ちた顔をするんだろう。本当にこいつは満身創痍の怪我人なんだろうか。


 そのギラつくようなエネルギーを、ほんの一割でいいから傷の治癒に回せばかなり楽になれるだろうに。


「なあ姉ちゃん。まだ行かねえのか? とっくに荷物は積み終わったんだけどよ」


「まあ、今夜は楽しみましょう、バゼット。お互い積もる話もあるでしょうし」


「……ええ、それはもうたっぷりと」


 後部座席に乗り込み、ドアをわざと乱暴にバンと閉めた。

 それを合図に、滑るように車が動き出す。

 波乱の夜が、幕を上げようとしていた。



お読みいただきありがとうございました。
書き溜め分の投下は終了しました。
続きは少なくとも今日中に投下できるようにがんばります。



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