過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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◆AYcToR0oTg
[saga]
2015/01/21(水) 21:02:42.03 ID:HZTnEr4c0
>>335
飾られた少女
ふとした縁から飾り職人と知り合った私は、彼にいろいろな質問をぶつけることにした。
――まずしつける段階から大変でしょう? 泣き叫ばれたらうるさいし、殴って言うことを聞かせるわけにはいかないはずです。
「もちろん。せっかくの芸術品にキズをつけては、職人としての腕が疑われますからね」
――ではどうするので?
「よくある手段としては、少女の大切なものを調べ上げることですね。弟という子もいれば友達という子もいますが」
「それがわかったら、少女の前で壊します」
――壊してしまうのですか?
「ええ。そうするともちろん少女は泣き出しますが、そしたらすかさず言うんですよ。君が言うことを聞けば何もしない、とね」
――なるほど。結果、少女は泣き止み、大人しく美術品になると。
「はは、まさか。その程度じゃ飾りとして完成しませんよ」
「言うことを聞いて黙ったら、よくできたねと言ってから少女の大切なものを壊すんです」
――それはなぜ?
「発言に意味がないことを知ってもらうためですね。だって、これから永遠に願いが叶わない生活を送るんですよ?」
「希望を持たせちゃ可哀想じゃありませんか」
――ははあ、なるほど。よく考えていますね。
「なにせ職人ですからね」
――ともあれ、飾りとしてはこれで完成ですか?
「いやいや。ちょいと気が早いですね。まだまだ序の口ですよ」
「しばらく同じ流れを繰り返して、少女が何も反応しなくなるまで大切なものを壊します」
「そして最後に、少女が一番大切にしているものを連れてきます」
――ほうほう?
「だいたいは両親ですが、中にはペットの犬って子もいましたよ」
「ひどいものですよねー。手塩にかけて育ててくれた親じゃなく、飼い犬の方が大事なんて」
――自分の娘にそんなこと思われたら、やってられませんね。
「私の娘がそんなこと思ってたら、飾りにしてやりますよ。はは」
――(苦笑)
「話がそれましたね」
「仕上げにですが、壊す前に少女に問いかけるんです。助けてほしいかって」
「もちろん、少女は何も答えません。だって、今まで何を言ったって助けなかったんですからね」
――学習性無力感ですね。
「お詳しいですね。それです」
「そしていつものように壊している途中で、今回は仕込みの子供を投入します」
「『パパとママを殺さないで!』と言わせて、それを聞いた私は手を止めるんです」
「少女は当然、驚きますよね? どうしてって。そこに私は言ってあげるんです」
「君が何も言わないから、あやうくパパとママは死ぬところだったね、と」
――うわあ、自己嫌悪に陥りますね。
「ええ。顔色が青ざめるところは見ものですね。それから決まって殺さないでと懇願してきますが、もちろんさくっと殺しますよ」
「それから言うんです。あーあ。君が何も言わなければ殺さなかったのに、ってね」
「だいたいはそれで完成です。いいものですよ、全てを諦めた可愛い少女の表情は。一度は見ることをお勧めします」
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