過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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名無しNIPPER
[sage]
2015/03/02(月) 20:24:39.46 ID:MPH2PTlo0
>>491
『群青(あおに染まるメトロポリスで)』
独り、ぽつりぽつりと歩いた。
空は群青一色に染まっている。
雲ひとつないのに、星は見えない。
建物が煌々と明かりを灯し、空を照らしているからか。
あてどなく、ぽつりぽつりと歩く。
空を見上げては、ため息をついた。
星が見たい。
光の多い大都市では星が遠い。
それでも月は建物の合間から白群の顔を見せる。
淡い光にほっとしながら、
また独り、ぽつりぽつりと歩いた。
建物が減っていく。
少しずつ高さも減っているようだ。
川にたどり着いた。
川面は濃藍に染まり、底なしのようだ。
川の中に入っていけば、終わりが見えるだろうか。
岸に近付こうにも側に寄ることすら難しい。
沿って歩いていけばどこかしら降りられる場所があるかもしれない。
ビルよりも住宅が増えてきた。
サイクリングロードだろうかランニングコースだろうか。
丁寧になでられた場所を歩く。
コンクリートに固められた地面よりは幾分歩きやすい。
それでも草は根性のあるものだけが隙間から顔を出せる程度だ。
緑も少ない。
自然が身近にない場所で、人は還れるのだろうか。
どれだけ歩いたかわからない。
星の見えない空を見ても楽しくない。
顔を上げているのも億劫だ。
見える色が暗くなってきた。
どうやら街灯も減ってきたようだ。
確認するのもめんどくさい。
ひとまず足元と数メートル先が見えればいい。
目先さえ見えていれば人間歩けるものだ。
潮の香りがする。
海が近いのだろうか。
目の端にベンチが見えた。
もう歩くのもめんどくさくなって、座って休むことにした。
このままここで寝てしまったらどうなるだろう。
北国でもないこの場所ではさすがに[
ピーーー
]ないのだろうか。
そんなことをぼんやり考えながら、何もありはしない足先をずっと眺めていた。
そのうちまぶたを閉じて、かすかに聞こえる川の流れを聞いていた。
だから気づかなかった。
もうそこに朝が来ていることを。
ふと目を開けた瞬間に見えたのは、
群青に染まるメトロポリスに大きな淡群青のカーテンがかかるところだった。
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