過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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696:名無しNIPPER[saga]
2015/04/12(日) 22:19:23.51 ID:c7yU3A6AO
……どうやら、自分の餌場に、新参の"同類" が入ってきたらしい。

"替わり者"関係の事件はその凄惨さや異常性から、発覚しても報道はされないことが多いが、ああした噂だけは先行するのが常である。

(……噂のせいで、夜中に一人歩きする女が極端に少なくなってるし、偶然追い越したりすれ違うだけでも、警戒バリバリだからな)

転校してきたばかりで一緒に帰る友達もいない少女なら好都合。

この少女の「中身」をそこらじゅうにぶちまけて、同種に対して自分の存在をアピールしなければ。

マーキング、という奴だ。

(生かしたままじっくり楽しめないのは残念だがな、転校生。せいぜい派手にバラして刻んでぶちまけてやんよ!……そうだ!首とあそこだけは持ち帰って、オ○ホ代わりに使ってやんぜ、良かったなぁ、桐咲!!)

――ギャリイィィィン!!!

だが。

転校生の少女が両手に構え、首筋と背中を狙った2本の鎌を受け止めたのは……形状だけを見るなら、折りたたみ式の西洋剃刀。

「桐咲、手前ェっ!?…」

ただし、サイズはまるきりケタ違い。まるで巨大なナタか山刀だ。

「……まさか、同類か!?」

「一緒にしないでケダモノさん」

その言葉が終わるより早く、2本の鎌の形をした両腕は細切れに寸断され、付け根から落とされる。

「ぎぃやああぁぁぁあああああ!!」

獣の喉から悲鳴が上がった。

痛い。痛い。なぜ痛い。なぜ傷が塞がらない。

「結界内だから周りには聞こえないけど……うるさいわねぇ」

「あ」

喉の肉に巨大な剃刀が食い込み声帯をえぐり取る。

絶叫は止まり、血と空気の吹き出す笛のような音だけが静寂の中に響いた。


「……あたしはあんたの同類なんかじゃない。あたしは―――【オリジナル】よ」

少女の声が優しく響く。

「あたしは人の闇から生まれた残忍な【オリジナル】。人の悪夢、恐怖そのものの化身。半端な人混じりのクリーチャー風情と一緒にしないで」

獣の身体がガクガクと痙攣する。


「桐咲雀……きりさきすずめ、ってのは仮の日本名」


「ほんとの名前はね、『切り裂きジャック』って言うの。あんたらを滅ぼすために海を渡って来た殺人鬼よ、よろしくね。そして――いただきます♪」



"替わり者"を切り刻み、殺し、喰らう少女。


切り裂きジャック――桐咲雀の、これが日本デビューであった。


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