過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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836:名無しNIPPER[sage]
2015/05/18(月) 20:21:49.42 ID:eybV6+gw0
>>831 「留守電あり」


『新シイメッセージハ1件デス。』

甲高い女性の声が留守電があることを告げる。

『最初ノ新シイメッセージデス。午後11時』
『もしもし?私。またかけ直すね』

知らない声が響く。番号にも見覚えはない。
きっとかけ直すときに間違ったことに気づくだろう。


仕事がひと段落ついて、スマホを確認した。
画面の端のアイコンに驚いた。

二日連続での留守電とは珍しい。
まさか昨日の人ではないだろうと思ったが、
着信履歴に表示された番号は昨日と同じ。

また間違ったのかとため息をつきながらも、一応聞いておくことにした。

『最初ノ新シイメッセージデス。午後11時30分』
『もしもし?私。仕事忙しいのかな?またかけ直すね』

やっぱり昨日の人だ。
普通、赤外線なりQRコードなりで交換した連絡先を登録しているだろうに、
今時二日連続で間違い電話をする人もいるんだな。
赤外線が使えない機種で、バーコードリーダーアプリがデフォルトで搭載されていない機種を使っている人なら仕方ないのかもしれないが。
いちいち落とすの手間だし、よくわからずに使っている人なのかもしれない。
明日かかってきたら折り返そう。そんでもって間違ってますよ、と伝えてあげよう。


案の定着信履歴がある。
ばっちり留守電も入っている。

『最初ノ新シイメッセージデス。午前0時』
『もしもし?私。遅くにごめんね。またかけ直すね』


たった三日なのに慣れ親しんだ声に聞こえるから不思議だ。
とりあえず、折り返そう。


『もしもし』

よかった。ちゃんと出てくれた。

「すみません。三日ほど前からお電話いただいてるようなんですが、」


『折り返してくれたのね。ごめんね。ありがとう』

『それでね、用なんだけど』

話を続けようとしているが、これは間違い電話だ。

「いえ、あなたを存じ上げませんので、おそらく間違い電話かと」

『ううん。間違ってないわ。』

こんな声の知り合いいたっけ?
私が忘れているだけか?


『なかなか忙しくてそっちにいけなかったから忘れてるかもしれないけど、』
ぞっとして電話機を取り落とした。



『だってずっとあなたが在宅のときを待ってたの。これでやっと私だけのものにできるわ』


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