過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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884:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/04(木) 18:53:02.24 ID:SgxZ9jGlo
>>880「白紙の答案」


ラブレター。
なんて古典的なものだろう。
それでも私は直接顔を合わせるのが恥ずかしくって書いてみた。
でも、それでも恥ずかしくってクイズ形式で。
いくつかの思い出をクイズとして書いて、最後はこうだ。


『Q.この手紙を出した女の子はあなたにとある特別な感情を抱いています。それは一体なんでしょうか?答えとそれに対する貴方の反応を書いてください。
  ヒント:何故かあなたのことをずっと見てしまいます』
 A.

 クイズは以上です。解答の受付は朝の八時までです。教室で待ってます。


なんて
きっと他の人に見られたらバカにされるんだろうなぁ、と思いつつ彼の靴箱に忍ばせた。
彼は律儀な人だからきっちり答えを書いてわたしてくれるんだろうなぁ……


でも、彼は現れなかった。
痛い、痛い、心が痛い。
そんなものを押さえ込みながら朝のHRの時間。
彼の席は空席だ。体調でも悪いのかな?きっとそうに違いない。

少し遅れてやってきた先生が突然わけのわからないことを言い出した。


「○○君が下校中、事故にあいました」


嘘だ。きっと嘘だ。
先生が仲の良い人は放課後にでも行ってあげて下さいと病院の名前と病室を読み上げたのを聞き、私は教室を飛び出した。

病室の前には丁度出てきた彼のお母さんがいた。
彼の家に遊びに行ったとき(友達も一緒だったが)挨拶をしたので憶えていた。
私のことも憶えてくれていたのか、名前を呼んでくれた。
 

「そうだ、あなたに渡さなきゃいけないものがあったの。これ、○○が事故に遭ったときに握ってたものなんだけど……」


それはくしゃくしゃになった私のラブレター。
おそるおそる開ける。
やっぱり答えは書いてない。

彼のお母さんに連れられ病室に入る。
彼は眠っていた。ずっと目を覚まさないらしい。お医者さん曰く、彼の気力次第だそうだ。

ねぇ、こんなのないよ。早く起きて答えを埋めてよ、ねぇ……



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