過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
1- 20
938:「気の抜けたサイダー」 >>7
2015/06/11(木) 19:36:30.65 ID:5GdFHXjm0
とっくに気の抜けたサイダーは、開けたと同時に微かな音を立てて、その残った炭酸を放出した。

少しだけ躊躇いながら、口をつけた、ここに彼女がいたならば、「間接キスだ」なんて言って笑っていたかもしれない。

「甘い」

気の抜けたサイダーは、ただの砂糖水に成り果て、僕の体へ溶け込んだ。

そのまま全部飲みほし、容器をゴミ袋へ詰めて、彼女の部屋を後にする。

「あ、終わった?ゴミ袋持ってきたのに」

「何とか足りたよ、あと、サイダーもらっておいた」

「うえっ、あのサイダー気抜けてなかった?」

「クソ甘かった」

「でしょー、言ってくれれば買ってきたのに」

「遅い」

部屋を出ると、ゴミ袋を取りにリビングへ戻っていた彼女がいた。

彼女が引っ越すことになり、彼女の部屋の片付けを手伝っていた最中だった。

「手伝い、ありがとね」

「ん」

「今日はもういいよ、お疲れ」

「おう」

「じゃあ、また明日」

「ああ、明日」

彼女が引っ越すまで、あと数日。


おわり


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/428.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice