過去ログ - タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part2
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「気の抜けたサイダー」 >>7
2015/06/11(木) 19:36:30.65 ID:5GdFHXjm0
とっくに気の抜けたサイダーは、開けたと同時に微かな音を立てて、その残った炭酸を放出した。
少しだけ躊躇いながら、口をつけた、ここに彼女がいたならば、「間接キスだ」なんて言って笑っていたかもしれない。
「甘い」
気の抜けたサイダーは、ただの砂糖水に成り果て、僕の体へ溶け込んだ。
そのまま全部飲みほし、容器をゴミ袋へ詰めて、彼女の部屋を後にする。
「あ、終わった?ゴミ袋持ってきたのに」
「何とか足りたよ、あと、サイダーもらっておいた」
「うえっ、あのサイダー気抜けてなかった?」
「クソ甘かった」
「でしょー、言ってくれれば買ってきたのに」
「遅い」
部屋を出ると、ゴミ袋を取りにリビングへ戻っていた彼女がいた。
彼女が引っ越すことになり、彼女の部屋の片付けを手伝っていた最中だった。
「手伝い、ありがとね」
「ん」
「今日はもういいよ、お疲れ」
「おう」
「じゃあ、また明日」
「ああ、明日」
彼女が引っ越すまで、あと数日。
おわり
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