33:名無しNIPPER
2015/01/05(月) 17:31:03.49 ID:0wpfjsKk0
フッ、と笑ったマキ君は、それはもう様になっていて、思わずぽけっと見とれちゃいそうになりました。なっただけなのでせーふです。
すると、かたんと椅子を揺らしたマキ君が姿勢を正しました。つられて、花陽の背筋もぴん、と伸びます。大事な秘め事を話すように、頬を染めたマキ君はぼそぼそと。
マキ「じゃあ、本当に――その、お、オレに相談するか…?
まぁ、確かに、もう会うこともない、そういうことにはちょうどいい相手だとは……思う、けど」
花陽「………ううん」
申し訳ないくらい、否定の言葉はするっと出てきました。こっちのマキ君も、あまりこう言う『素直に』何かをすること―――この場合は心配をすること―――が苦手なのでしょう。
気恥ずかしそうでありながらきょとんとした顔の彼に、花陽は拙く、なんだか心の痛む思いでおどおどと伝えました。
花陽「え、えっとね、気持ちは嬉しいの。でも、でもやっぱり、ここでマキくんに相談するのは――ズルいことだと思うから。
真姫ちゃんに対する……なんだろう?裏切り……とかそんなんじゃないんだけど……えっと、えっと」
マキ「ああ、何となくは伝わったよ……不義理、ってことだろ?」
花陽「ふぎり……うん。多分、そうです…ね」
そう、ああ言ってくれた真姫ちゃんがいるのに、マキ君にお願いしてしまうのは、なんだかとても、不義理を働くことな気がします。短くも長い間積み上げてきた私と彼女との関係性に対しての、それこそ冒涜とすらとれるような。
これはちょっと大袈裟でしょうか?でも、花陽の気持ちとしては、そこまでおかしくは無い表現です。だから、真姫ちゃんに頼ります。……戻れたら、の話ですけど。
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