過去ログ - 花陽「はんたいの世界」
1- 20
34:名無しNIPPER
2015/01/05(月) 17:46:30.58 ID:0wpfjsKk0
マキ「リンはああ言ってたけど、オレも、その方がいいと思う。きっと間違ってないよ、その判断は」

花陽「そう……ですかね」

マキ「ああ。もしその女版のオレの立ち位置にオレがいたなら……ま、別に、嫌がることは……ないだろう、し」

花陽「それは……嬉しいってこと、なの?」

マキ「んな……べっ、別にそんなんじゃねえよ!やめろよ!」

ふふ、真っ赤です。からかわれた反応まで、本当に真姫ちゃんにそっくりだなあ、と。気を緩めてついくすくすと笑ってしまえば、不服そうなマキ君が、溜め息の後、なんだか躊躇い気味に言いました。

マキ「……実を言えばな、ついさっき、ハナヨにも相談を受けたんだ」

唐突でキョトンとしてしまいます。ええと、はなよ?……私?

花陽「花陽にって……えっと……」

マキ「ああ、勿論こっちのだ。で、その内容は…まあアイツとの約束だし言えないけど…要約すれば、親友に相応しいか、それ以上の人になりたい、って言うのでさ」

花陽「……それは―――」

……そっくりです。まるで、鏡に写したみたいに――花陽の悩みと。だってそうして私は――自分自身を変えることを願いながら、鏡に指をたてたのですから。動きを止めた花陽をじっと見つめながら、マキ君は変わらない調子で続けます。

マキ「……アイツの相談なんてなかなかないからビックリした。しかも、内容が内容だ。でも、迷った末にオレはまあ、こう答えた訳だ」

ほんのちょっと、期待を込めて言葉の続きを待っていれば。マキ君は、なんとこう言いました。

マキ「――『何もしなければいい』って」

花陽「へー………っふぇぇ!?」

―――ドウイウコトナノォ!?って。椅子を蹴って、すねを思い切りパイプにぶつけて蹲ります、慌てて駆け寄ってくるマキくんになにやってんだよ!と叱られてしまいましたが、しかし、だって。

花陽「だ、だって」

マキ「だってなんだよ、」

花陽「――それじゃあ、何も変わらないじゃん!」

痛みと――燻る思いに潤んだ瞳でマキ君を睨むように見ます。だってだって、今のままじゃ、花陽と凛ちゃんは何も変わらない……同じ、ダメな花陽のままなのに!身勝手もいいところだけど。ひどく、その答えに裏切られたような――それこそ不義理を働かれた気分でした。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
51Res/42.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice