11: ◆eUwxvhsdPM[saga]
2015/01/06(火) 01:34:47.40 ID:RN7L+xaq0
「アハハハ……アハアハアハ……そう困った顔をするんじゃないよ。ナニ、祭りなどが無くとも、屋台の一つや二つはあるもんさね」
「ハア……そのようなものなのですか」
「そうさ。気の無い返事をしないでおくれよ。でっかいのはよほど、お遊びには疎いカタブツと見える」
「ええ、エエ。そうですネエ……。何分妾は、田舎者の生娘でして……このような事は、なあんにも」
「ハハア、だったら教えてあげよう。教える事ナンゾ数少ないし、私は何にも知らないけれど。それでも私は、腹がスッカリ空いた時、その辛さを優しく受け止めてくれる所を、ゴマンと知っているんだよ」
チイちゃんはそう言って、サッと立ち上がったかと思うと、妾の手を引いて歩き始めました。
その力の強いこと強いこと……。
妾は少し恐ろしく感じましたが、逃げる事ナンゾ到底出来ません。
引かれるままにチイちゃんの後ろを歩きます。
ぐねぐねと曲がりくねった道を、建物の間の狭い路地を、引かれるままにズンズンと、恐ろしい速度で進んだのです。
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