15: ◆g/ChnI.qIuu2[saga]
2015/01/06(火) 18:25:20.33 ID:0v+4uQkno
少年を見た少女は、壊されてしまった魂で微笑んだ。
そして一言
「私を…殺して…」
16: ◆g/ChnI.qIuu2[saga]
2015/01/06(火) 18:26:07.74 ID:0v+4uQkno
剣を引きずりながら、ゆっくりと少女に歩み寄る。
少女の前に立った少年が剣を持ち上げる。
少女は、もう一度微笑んだ。
「うわああああ!!!」
17: ◆g/ChnI.qIuu2[saga]
2015/01/06(火) 18:27:15.01 ID:0v+4uQkno
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金持ちの家をあとにした少年は、泣くことをも忘れていたことに気づく。
地獄のようなこの暮らし
この世の不平等さ
そして、救うことの出来なかった少女
18: ◆g/ChnI.qIuu2[saga]
2015/01/06(火) 18:27:59.88 ID:0v+4uQkno
続いて思い出したのは空腹感。
空腹は、自分が生きていることの証でもある。
もはや空腹も感じなくなっていた少年にとって、その感覚はひどく懐かしく感じられた。
19: ◆g/ChnI.qIuu2[saga]
2015/01/06(火) 18:29:00.96 ID:0v+4uQkno
その刹那、少年は痛みを覚え、倒れ込む。
屋敷の追手にやられたのか、心の痛みなのか、それとも他の原因か、はっきりとはしない。
だがそれでも構わなかった。
ただ、ありのままの痛みを確かに感じていた。
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