過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:14:33.78 ID:EM5bJfah0
「来週も同じ時間に来い」

 彼は短くボクに告げました。

 無機質な声で、興味のなさそうな澄んだ目をボクに向けて。

 他に言う事がないとばかりに、立会人さんは踵を返し、ボクの前から去って行きます。

 彼の規則正しい足音はとても冷淡で、無慈悲なモノのようにボクの耳には聞こえました。

 三度目になると慣れたものです。

 叱る事も、呆れる事も、勿論、アドバイスを口にするような事も、あの人はしません。

 まるで、最初からボクには期待していない、と言うように。

 最初はボクも腹が立ちました。

 応募をした事務所の人でなければ、いえ、ボクがアイドルであれば、文句の一つや二つ――もっと言っていたでしょう。

 でも、もうそんな事を口にする暇など、ボクにはありません。


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