過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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48:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:13:16.13 ID:EM5bJfah0
 恐る恐る、と言った様子で、プロデューサーさんがボクに問いかけます。

「それって、なにか理由があるのか? 折角最終選考まで残ったのに。いや、話したくなければ別にいいんだけど」

「別に構いませんよ。でも、説明するのは難しいですね……一言で言うのなら、井の中の蛙が大海を知って、飛び込んじゃった、って感じですかね」

 そのまま井戸の中で空だけを見つめていたら、知らなくていい事を知らないまま生きられたのに。

 少なくとも学生の間は、とボクは心の中で付け足しました。

 実力主義。

 それを甘く見ていたのは間違いなくボクです。

 立会人さんがボクを同じ人間のようにさえ扱わないのも、三回連続で惨敗したのも、ボクが未熟だから。

 そしてそれを改善する術をボクは知りません。

「ブーツを誰かが盗んで隠したのは、神様がお前には向いてない、ってボクに伝えたかったからかも知れませんね」

「……それはあり得ません」

 静かで穏やかで、でもはっきりとちひろさんは言いました。

 絶対にあり得ません、と同じ言葉を二回繰り返して。


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