過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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53:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 22:33:51.12 ID:EM5bJfah0
「合格条件が違うんですよ。本当はね、勝たなくてもいいの。ライブバトルに出場して、毎回精一杯パフォーマンスを見せたら合格なんです」

「負ける怖さを最初に身に染み付かせる。そうしたら、もう負けたくないって思うし、その分練習だって真剣に取り組むようになる。
 あの事務所は、そう言うやり方なんだ」

 古典的ではあるけど成果はかなり期待出来る、と笑いながらプロデューサーさんは言いました。

「多分知ってると思うけど、あそこは本当にシビアなんだよ。
 弱い子はすぐに置いて行く、って感じに。けど強い弱いは基準は技術じゃなくて、こっち」

 トン、とプロデューサーさんは自分の胸を拳で叩きました。

 心の強さだと言うように。

 いえ、ようにではなく、心の強さだと態度で言い切っています。

「本当は、合格者以外に教えたらいけない事なんですけどね」

「輿水さんの場合は例外ですよ」

「えぇ。でも、あとで私たちは社長さんに怒られるんでしょうねぇ。もう事務所が違うのに……」

「気が重くなる話題はやめて下さい……」

 また二人は同時に溜め息を吐きました。

 それはほんの一瞬。

 二人ともすぐに笑みを浮かべます。

 しかしボクの胸中は、二人と正反対。

 薄暗いモノが滲んでいるのがわかります。


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