1: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:28:37.12 ID:eGTu5Tbto
昔から人間は狐狸に化かされたと口にする。
しかし、我々にはまったくもって身に覚えがない。
なんでもかんでも我々のせいにされたらたまったものではない。
しかし近年、どうも人間も学んだらしく、
様々な物事に理由をつけてはどういうものだか解明しているようだ。
おかげで我々のせいになることは減ったが、今度は相手にすらしなくなった。
都合の悪いことはこっちに押し付けてくるくせに、興味がなくなればすぐに忘れてしまう。
人間とはなんとも身勝手な存在だろうか。
しかし私はそんな人間がどうしようもなく好きなのである。
今日も今日とて私は人間の世界に紛れ暮らしているのだ。
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2: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:30:13.58 ID:eGTu5Tbto
マイペースにマイペースに思いついたことを書き進めていきます。
簡単な日常物とお考えください。
それではどうぞ、しばしのお付き合いを……
3: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:31:13.30 ID:eGTu5Tbto
僕はしがない一匹の狐である。
尻尾も一本であるし、毛も真っ白という訳ではない。
ただのしがない一匹の狐である。
4: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:31:48.19 ID:eGTu5Tbto
それに増やしたところで所詮は偽物である。
本物の大妖狐の真似をしたところでむなしいだけだ。
おっと噂をすればなんとやら、
5: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:32:41.31 ID:eGTu5Tbto
「やあやあ白面さん。どうやらお元気そうですな」
6: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:33:36.50 ID:eGTu5Tbto
「そりゃあ悪いことをしたね。ところで何をしていたんだい?」
「こんなにいい天気だろう?せっかくだし油揚げでも買いに行こうかとね」
7: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:34:15.74 ID:eGTu5Tbto
「そうかいそうかい……確かに僕も油揚げは嫌いじゃないが、どうしてそうも君は狐らしいのかね」
「そんな君はどうも最近人間かぶれが酷くなっているね。もう少し狐らしくしたらどうだい」
8: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/07(水) 23:34:53.99 ID:eGTu5Tbto
そう彼女は大声を上げると白い顔を真っ赤にし、5本の尻尾を揺らしながら去っていってしまった。
まったく彼女をからかうのは楽しいものだ。
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