245: ◆/5u1xsuUH.
2015/08/31(月) 23:23:44.40 ID:gNDGU+Cco
「その先を言うんじゃない」
低く冷静な声が私の耳に届く。
まるでそれはそうしなければならないと私に思わせるような口調で。
そこには彼の意思はなく、そう言わされているかのような口調で。
その事が私の胸を締め付ける。
「俺のことは忘れるべきだ」
「そんな……」
俯いた彼の被りなおしたフードの中の顔をのぞき見ることはできなくなってしまったが、
口元は強く噛みしめているように見えたのは気のせいだろうか。
「後のことはそこの人がやってくれる」
「えっ?」
彼が指差したのは誰もいないはずの木陰。
そこにはいつの間にか一人の青年がいた。
まだ20代前半だろうか、もしかしたら10代かもしれない。
そのぐらいに見える青年が、人懐っこそうな笑みを浮かべて立っている。
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