94: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 17:59:57.18 ID:axxMaQjPo
「きちんと変化できるようになった?」
「ううん、まだだめだね。どうしても尻尾か耳が残っちゃう」
95: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:00:37.23 ID:axxMaQjPo
あの時の総次郎のちょっとだけ泣きそうで、
ちょっとだけ嬉しそうなそんな笑顔を私は忘れられない。
当時の私は何も知らなかった。
96: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:01:21.29 ID:axxMaQjPo
しかし、総次郎にはそういった『わかりやすい目安』というものがない。
変化もなかなかできず、尻尾も簡単には増えないため、成長したという証がない。
97: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:02:14.47 ID:axxMaQjPo
「やあ、何してるんだい?」
「やあ白面ちゃん。今日は母上の代理さ」
98: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:03:18.26 ID:axxMaQjPo
「あれはそう、僕らの修業時代だよ。お互い名前を教え合って、
ちょっとしたぐらいに変化と尻尾の話をしてたんだ。
お互い変化はうまくいかないし、僕に至っては尻尾も増えないね、って」
99: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:04:04.06 ID:axxMaQjPo
「あの時は嬉しかったなあ……」
「…………はい?」
100: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:04:31.29 ID:axxMaQjPo
「あの時が初めてだったんだよ」
「初めて?」
101: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:05:38.79 ID:axxMaQjPo
え?は?ええ?
名前で?名前で呼んだって?
102: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:06:34.43 ID:axxMaQjPo
「やっと思い出してくれたのかい。つまり最初の告白は君からだったと言ってもいいね。白ちゃん」
「い、今私のことを白って!でも私も総次郎って……ああ、もうどうすればいいのー!!!」
103: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:07:15.89 ID:axxMaQjPo
おっちょこちょいな私は総次郎の名前を度々呼んでしまうのではあるが、
それについて後悔をしたことなどは一度もない。
むしろおっちょこちょいであることに感謝しているといってもいい。
104: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/13(火) 18:08:21.29 ID:axxMaQjPo
今日はここらへんで。基本的に私はこの二人が大好きなのです。
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