63: ◆WnJdwN8j0.[sage]
2015/01/10(土) 18:04:28.30 ID:n6XkU/tv0
勇者「今日は楽しかったです」
暗黒騎士「…そうか」
勇者を部屋まで見送り、暗黒騎士は自室へと戻る。
64: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:05:08.51 ID:n6XkU/tv0
暗黒騎士「それで魔王様、勇者の扱いというのは」
勇者を生け捕りにし、人間への侵攻を進める――そういう話だったはずだ。
捕らえている間の勇者の扱いについては、特に指示はなかったが。
65: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:05:58.54 ID:n6XkU/tv0
暗黒騎士「魔王様、真面目に話して下さい」
魔王「悪い悪い」
魔王「わしには刺激が足らん。そこであの勇者だ」
66: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:06:32.41 ID:n6XkU/tv0
暗黒騎士「反対です!」
魔王「おや即答か」
暗黒騎士「あの勇者は勇者として機能していません、魔王様が思うほど人間達は絶望しないでしょう」
67: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:07:00.41 ID:n6XkU/tv0
「おい」
勇者「すやすや…ん〜?」
「起きろ」
68: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:07:43.91 ID:n6XkU/tv0
裏口から勇者を連れ出し、足早に城から遠ざかる。
勇者「よいしょ、よいしょ…」
何故か預けていた剣を持ってきた勇者は歩くのが遅い。
69: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:08:12.84 ID:n6XkU/tv0
勇者「あの…私を逃がしたこと、貴方が真っ先に疑われるのでは?」
暗黒騎士「そうだろうな。だが、上手く対処できる自信はある」
本音では自信は50%。だけどここは嘘をつく。
70: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:08:49.81 ID:n6XkU/tv0
勇者が側室となるのは、魔王ではなく、魔王軍幹部――それでも人間からすれば大差ないかもしれない。
暗黒騎士「だが、しかし…」
勇者「やっぱり、駄目ですか…」
71: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:10:08.83 ID:n6XkU/tv0
暗黒騎士「俺は――」
その先の言葉をどうしても言えない。
暗黒騎士(どうすればいい…!?)
72: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 18:10:39.28 ID:n6XkU/tv0
この無力な少女は、この世界に虐げられ、普通に生きることもできない。
暗黒騎士「勇者…!」
勇者「暗黒騎士さん…痛いですよ」
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