138:名無しNIPPER[saga]
2015/03/22(日) 00:07:25.00 ID:fIBCqkQg0
2月25日
数日前、ウィンキーのライブバトルが終わった直後、千早がふと姿を消した。
心配になって探していると、困惑した表情の千早を見つけた。
込み入った話なので事務所に戻ったらちゃんと話をする、とのことだったのでひとまず全員で事務所に帰った。
とりあえず俺と2人で話たいと言ったので、社長室を借りて2人で話した。
父と母が会場に来てました。
その、私がアイドルとして活動しているのを知ってから、時々来ていたらしくて……。
それで、会場でお互いが出会い……ヨリを戻した、と。
私は、その、複雑というか……。
2人が仲直りしてくれて嬉しいのと、ここまでないがしろにされて怒っているのと、どっちの感情もあるんです。
千早の気持ちも聞いてみればよく分かる。
今まで千早がどんな気持ちだったのか、千早がどれだけ苦しい思いをしてきたと思っているのか。
ご両親に問い質したいところだ。
だが、それをいきなり俺がするのは少々筋が通らない。
まずは千早にやらせるべきだ。
千早のやりたいように、千早が自分の気持ちのままに動けばいい。
ここまで苦労してきたんだ。千早にはその権利がある。
そう伝えたら、今日、千早のご両親が菓子折り持って訪ねてきた。
2人とも頬に真っ赤なモミジをつけて。
いやぁ、たくましく育てていただいたみたいで……。
お恥ずかしい話です。申し訳ありませんでした。
……何をどうしたのか、千早に聞いてみた。
その、一発ビンタしてから抱きついて泣きました。
今まで溜まっていた鬱憤を晴らしたら、色々と止まらなくなってしまって……。
そう言った千早の顔には照れと泣いたあとがあった。
とりあえず、想定外ではあったがこれはこれで良かったのだろう。
ご両親は2度と千早に辛い思いはさせないと俺に約束して帰っていった。
……プロデューサー、ありがとうございました。
あなたのおかげで、私はここまで……。
私の夢も、家族への願いも、あなたはすべて叶えてくれた。
今、ここで死んだって悔いはない。そんな気分です。
……すいません、縁起でもないですね。
これからもプロデュース、よろしくお願いします!
そう言って、千早は笑ってくれた。
俺のおかげというより千早の実力なのだが。
ともあれ、こんなにも円満に終わってよかった。
これでまた、千早はより輝ける。
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