4:名無しNIPPER[saga]
2015/01/08(木) 21:22:27.06 ID:obAhGuZmO
今の仕事に不満はない。誇りもある。
だが、過去の仕事には後悔しかない。
特に、俺が入社した1年目。
今だから分かる。あのとき、この事務所には最高のアイドルのみが集まっていた。
昔、社長が言っていた「ティンときた」という感覚がここ数年で分かるようになってきた。
IA大賞を取るアイドルにはたいていティンとくる。まあ、2〜3年に1人のモノだが。
仮にティンとこない子でも、今の俺ならノミネートアイドルくらいまでなら引っ張り上げてあげられる。
だが、大賞を取るにはどうしても天賦の才というものが必要だ。
単純に才能というわけではない。
磨きあげる価値のある塊というか……ティンとくるものとしか表せないな。
とにかく、あのときの子たちはみんなそれを持っていた。
今の俺が彼女たちをプロデュースできるなら、全員トップアイドルにできる自信がある。
それだけの逸材だった。
だが、当時の俺ときたら、どうしようもなかった。
結局、あれだけの逸材が揃っていて、誰ひとりIA大賞を取らせてあげられなかった。
それだけが後悔だ。
みんな、泣きながらここを去っていった。
あの過去があるから今の俺がある。社長や小鳥さんにはそう言われたが、納得がいかない。
長くプロデューサー業を続けられる俺と違い、あの子たちにはあの過去しかなかったんだ。
それなのに、俺の実力不足で、遭う必要のない不幸に遭わせてしまった。
もっと輝けるはずだったのに、鈍い光で終わらせてしまった。
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