過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」【安価】
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10: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/10(土) 23:33:31.83 ID:OfdmEPE+o

提督「……、そうか。あの時の」

 大和達が襲われた日。

 あの夏の雨の日に、演習を行った相手の中に、榛名が居た。

 こちらを見る彼女の目は、どこか寂しそうだったのを、今更になって思い出す。

 何故今になるまで思い出せなかったのだろう。

榛名「……はい。そして榛名は、深海棲艦に襲われました」

提督「深海棲艦に?」

 今の話だと、仲間と合流したのではなかったのか。

榛名「……仲間、でした」

 痛いほどに瞼を強く瞑る榛名。

 記憶に棘があるのなら、きっと今の榛名は全身から血を流しているに違いない。

 まるで涙を流すように、全身からとめどなく。

 だけれど榛名は、泣かなかった。

榛名「……仲間で、そして、深海棲艦でした」

提督「……」

 枯れ果てるほどに泣き続けたのか、それともあるいは、睦月のように壊れてしまったのか。

 或いは。

 或いは単に、堪えているのだろうか。

 自分には泣く事も許されないと、

 自分には泣く資格も持たないと、

 そうやって自分を責め続けているのだろうか。

榛名「深海棲艦は、艦娘を食べます」

提督「……ああ。それは知ってる」

 血にまみれながら生還した雪風の姿が浮かぶ。

 榛名もまた、雪風と同じ様に深海棲艦の恐怖に襲われたのだ。
 
榛名「そして深海棲艦は、」

 ぎゅっと服を強く握りしめる。 

提督「……深海棲艦は?」

榛名「……」

榛名「……食べた艦娘の姿を、模するんです」

 それはきっと、地獄のような光景だった。




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