過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」【安価】
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30: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/11(日) 00:45:22.79 ID:Bx+mnDq6o

 恐らく今の彼女は、寄りかかるものが欲しいのだ。

 仲間を失った。居場所を失った。言葉を失った。心の拠り所を失った。

 気がつけば自分の周りから全てがなくなっていた。

 その代わりとして残ったものも、喪失感や虚無感といった、煙のようなものだらけ。

 あの夏の日から四ヶ月。その四ヶ月間、出撃も何もせず、罪滅ぼしさえ許されなかった彼女の苦痛はどれほどのものか。それは誰にも推し量れないものだ。

 来る日も来る日もただ時間だけが過ぎる日々。

 白いキャンバスに、塗る絵の具が何も与えられない日々。

 気が狂うほどの無為だった。

 そんな彼女が罰に執着するのは、仕方のないことのように思えた。

 それが何色でも、ただ一色でも良いから何かが欲しい。

 そうして縋る様に彼女は自分で自分を罰することにしたのだ。

 寄りかかった物は罰で、色は黒。

 心のキャンバスが、間違った色で塗られていく。

 塗り終わった先にあったのが、この鎮守府だったのだとしたら、それはあまりに悲しすぎる。

 しかし。今ならまだ間に合う。

 寄りかかるからしがみつくになる前に、塗られるから塗りつぶされるになる前に。

 その前に彼女を救い出せれば、きっと彼女は立ち直れる。

 いや。

 救わなければいけない。立ち直らせなければいけない。

 それは大和達を知る俺だからこそしなければいけないことだ。

 大和達だってきっとそうして欲しいと思う。

 それが、大和達に対する弔いの様な気がした。

 榛名と共にできること。

 それが榛名を立ち直らせることだと、そう思った。


【榛名の好感度が30を超えました】




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