過去ログ - 【艦これ】日向「結局長月が代表のままか。ま、楽でいいが」
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861: ◆mZYQsYPte.[saga sage]
2015/07/03(金) 02:51:57.59 ID:AC4qLLFPo

トラックから全面撤退についても、最上級指揮官である第八位は全面的に容認していた。

共栄圏側精鋭部隊の殲滅成功によりトラックでの勝利は単に一つの戦術的な勝利に留まらず、彼らの根底にあった人類根絶実行のための大戦略においても計り知れない貢献を果たすと彼女は明確に理解していた。

今後状況がどう推移しようとこちらによほど大きな失策の無い限り、絡み合った因果は深海棲艦の戦争勝利へと進むであろう。

仮に共栄圏が空になったトラックを奪い返し羅針盤を挟んで二度目の戦いが行われようと、その時は容易に突破できる確信があった。

主要な戦闘部隊を喪失した共栄圏はもはや組織として崩壊していることを見抜いていたからである。

だからこそ確保したトラック泊地を呆気無く放棄したのだ。


総軍の再編成もまばらにハワイへと戻る航路の半ば、第八位は思索にふけっていた。

この戦いの結果、地球上において一匹の妖精を頂点に置く深海棲艦という軍事機構に対し唯一の抑止力となりうる存在が消滅した。


空母棲姫「…………」


だが例え組織が消滅しようが不利な状況に追い込まれようが艦娘は諦めない。

囚われた友を救い出すため、自分たちの掲げる世界の在り方を求め続けるため、ほぼ確実に己を死へと導く戦場へ万が一の奇跡に望みを繋ぎハワイへと攻撃を仕掛けるに違いない。


空母棲姫「……哀れね」


自殺に近いその行為は一種の美徳なのかもしれないが私には理解不能である。

強さが求められる世界において弱いことは本当に惨めだということは分かる。

行動の選択肢すら失ってしまうのだから。

最後の残存がハワイに飛び込んできたところでこちらが迎撃体制を整えてさえいれば赤子の手をひねるようにすり潰すことが出来るだろう。


空母棲姫「ねぇ、ハワイでの防衛線のことだけど」

空母水鬼「はい」

空母棲姫「……戦いが終わったのにどうして不機嫌なのよ」

空母水鬼「別に不機嫌じゃ無いよ」

空母棲姫「どれくらいの付き合いだと思ってるの」

空母水鬼「…………もう艤装も壊れてたんだから撃たなくても良かったじゃん」


空母棲姫「私も最初はそう思ったけど甘かったわ。あの場では鬼の言う通り上に立つ者としてけじめをつける必要があった。理解しなさい」

空母水鬼「元艦娘だからって殺してたら裏切ってこっちに来る子が居なくなるじゃん!」

空母棲姫「こちら側へ来る艦娘なんてショートランド陥落前辺りから希少な存在じゃない」

空母水鬼「それでも元艦娘だった子の士気に関わるよ! チョー扱い違うもん!」

空母棲姫「お父様は艦娘だろうと姫にしたわ。その逆、人間が裏切った深海棲艦を同等に扱うかしら? 艦娘や人間は第八位一人を捨て駒にしてまで撤退の時間を稼ごうとする奴らよ」

空母水鬼「だっ……て」

空母棲姫「それに姫にまで取り立てられながら恩も忘れて私達に仇なす艦娘を生かしておくなんて、それこそ一般の深海棲艦の士気に関わるわ。対応に差をつけて当然よ。ま、下位種の奴らにそんなこと考える知性なんて無いだろうけど念のため」

空母水鬼「…………」

空母棲姫「貴女、やけに八位の肩を持つけど話を聞いて同情でもしているの?」

空母水鬼「うぎぅっ」ビクン

空母棲姫「少し軍務から離れて頭を冷やした方が良さそうね」

空母水鬼「や、やだよ! こんな大事な時期に姫様の側から離れるなんて!」

空母棲姫「しばらく内地の政務担当をして頭を冷やしなさい」

離島棲鬼「それは困りますわ」

空母棲姫「……いたの」


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