過去ログ - 【艦これ】日向「結局長月が代表のままか。ま、楽でいいが」
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923: ◆mZYQsYPte.[saga sage]
2015/07/20(月) 06:17:58.35 ID:klMEhtDco

大妖精「私を見てくれ」


もう視界は乱れはしなかった。私はお父様の言う通りに、落ち着いた気持ちのままお父様を見ることが出来た。


大妖精「本当の私は大妖精なんかじゃなくて……小さくて弱い一匹の妖精なんだ」


私の手はもう震えていなかったが、それでも尚私の手は震えていた。

手の中の存在が震えているからだとすぐ分かった。

よく見れば、彼の身体は痩せ細っていて表情からは長年の重責の積み重ねによる疲れが見えた。その目には涙すら浮かべていた。

きっと本当の自分を曝け出す怖さに涙しているのだろう。


ならば手の中の彼が本来臆病な性根であろうことは言葉にするまでもない。



おかしい。

ここには深海棲艦という組織の長である偉大な大妖精が先ほどまで居たはずだ。

自らの目的を絶対視し、目的達成の最短ルート導き出すことが出来、その手段を選ばず犠牲を省みない指導者として素晴らしい素質を持った存在はどこへ行ってしまったのだ。



この私の手の中に居る弱い妖精は一体誰なのだ。


大妖精「頼む……お願いだから私の言うことを聞いてくれ……もう私は誰も失いたくないんだ」ポロポロ


…………………………。

私が悪いのか。

私が目を背けていただけだというのか。

分かりやすい虚像ばかり見て本質を見ようとしなかった私の責任なのか。

五位にはこれが分かっていたのか。

……全部私が悪いのか。



違う



空母棲姫「…………」ギュッ

大妖精「……っ、ぐる……し」

空母棲姫「取り消しなさい」

大妖精「……や……め」


私が悪く無いと結論づけられた時、私の中に生まれたのは目の前の存在に対する憎悪だった。

包んでいた手を力任せに閉じ、妖精を脅しつける。

コイツが悪い。コイツが全部悪い。

何故逃げるのだ。お前が作り出した悪夢から自分自身が逃げ出すというのか。

戦いを始め多くの者を死と悲しみの連鎖へと巻き込んだのは――――


空母棲姫「お前だろう……!」ギリギリ

大妖精「……っ、……あ」


視界のモニタに新着メッセージ1との表示がされた。

……1ではない。視界を埋める勢いで次々に新着メッセージが届いている。

差出人は『お父様』だった。


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