過去ログ - 男「一から始める」義妹「兄妹関係」
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26:名無しNIPPER
2015/01/14(水) 19:30:19.32 ID:Is9am8Mh0
――バシャン。
何かが水の中に落ちる音が意識の隙間を突くように耳に響いた。
男「……えっ?」
突然のことに何が起こったのか一瞬男はわからなかった。音のした方向へ視線を向けると、そこには必死にバシャバシャと水の中から這い上がろうとする妹の姿があった。
男「――ッ! い、妹ッ!」
石場の苔に足を滑らしたのか、兎にも角にも妹は溺れかけていた。
不幸なことに、妹が立っていた石場は滝をすぐ近くで観れるという利点と同時に底が見えないほど深い川の上にあったのだ。
普段の妹であればそんな危険の場所に近づかない方がいいということくらいわかるはず。
にも関わらず、彼女がそんな場所に近づき、危機意識が薄れていた理由はやはり兄である男と二人っきりで好きなことをするという心安らぐこの時間に余計な心配事を考えて水を差したくないと思っていたからだろう。
妹「ガッ……ゲホッ、ガボッ……に、にいさ……」
必死に助けを求め、兄を呼ぶ妹。彼女自身も足の着く場所まで向かおうとするのだが、水を吸い込んだ衣服は重みを増し、彼女の行動を阻害する。
更に、溺れていることから生じるパニックはいくら大人並の知能を持ち合わせた少女でさえも何も考えられなくさせてしまうのであった。
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