12: ◆EhtsT9zeko[sage saga]
2015/01/10(土) 22:01:42.24 ID:2i7hE443o
私はそんなことを考えながらも、なんとか気持ちを落ち着けて冷静にソフィアの質問について考える。
確かに…もし、私がアヤの恋人だったのなら、嫉妬の一つでもしていいかもしれない。いや、現に、二人のやりとりを見ているとときどき羨ましくなることもある。
でも、だからといってそれをやめてほしいと思うことはない。むしろ、私もそこに加わりたいな、と感じるくらいだ。
おかしな話だけど、もちろんそれはカレンが女性だからかもしれない。
自分を差し置いてこんな表現するのは変だけど、もしそれが男性だったら…あるいは、寂しさくらいは感じるかもしれない。
あ、でも、オメガ隊の人達と楽しそうにしているアヤを見るのは、どっちかと言えば好きな方だ…。
じゃぁ、アヤが大切じゃないのか、と言われたらそれも違う。他に家族のいない私にとって、アヤは、唯一家族と呼んで差し支えない存在だと感じている。
何があっても失いたくない、って、そう思う。だけど、アヤのことを思うと、別に誰と仲良くしていようが、
彼女が私から離れて行ってしまうのでは、なんて恐怖感や不安感を感じるようなこともない。
それは私がアヤを信じているからで、たぶん、アヤも私を信じていてくれるからなのだと思う。
そう、たぶん、私にとって、アヤは恋人というよりは、もう家族、なんだ。
「アヤは家族、って感じだからかな。恋人を通り越して、もう家族って感じだから、別に嫉妬したりしないし…楽しくしてくれていれば、嬉しいって思うのかも」
私がそう言うと、ソフィアは少し意外そうな表情をした。
「恋人、って感じじゃないんですか?じゃぁ、姉妹みたいな?」
その表情のまま、ソフィアは確認するようにそう聞いてくる。
「うーん、姉妹、とも違うかな…何に近いか、って言われたら…たぶん、夫婦に近いんだとは思うんだけど…」
「夫婦に近いのに…嫉妬心はなし…」
私が答えると、ソフィアはさらに首をひねる。そんな様子がなんだかおかしくて、私はクスっと笑ってしまった。
私にうまく説明できないものを理解しようとしているソフィアが、嬉しいようなくすぐったいような、そんな風に感じてしまったから。
「まぁ、ほら、アヤも私も、天涯孤独だからね」
そんなソフィアに私はそう言ってあげる。するとソフィアは、釈然としないという雰囲気の表情を浮かべながらも、
「それは、まぁ、なんとなくわかる気がしますけど…拠り所、っていうか、そんな感じですかね…」
なんてぼやくように言う。
確かソフィアの家族は月にいると言っていた。
なんでもソフィアのお父さんは技術職の人で、グラナダのツィマッド社が管轄の軍事工場に勤務していて、戦時中はモビルスーツの生産ラインの責任者だったらしい。
今は、その分野はアナハイム・エレクトロニクスに吸収されて、解体、再編されて
ジオン共和国となったサイド3の自衛部隊が所有するモビルスーツの整備点検の委託を受けているという話だ。
ペンションに来て、ホールの共用のコンピュータでメッセージのやりとりを再開したソフィアによれば、
人事次第ではアナハイム社の地球工場に転勤も有りうるらしいから、もしかしたらそのうちうちのペンションにも遊びに来てもらえるかもしれない。
そうなったら、目一杯サービスして喜んでもらわなくちゃね。
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