11:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:47:03.63 ID:/+6dON6q0
食事も大体終わり、音無さんと雑談に花を咲かせていた頃だ
俺の右ポケットがぶるぶると震え始めた
「ん、電話?」
12:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:48:58.77 ID:/+6dON6q0
『ありがとうございます、こんな時間にすみませんでした』
律子の用事は仕事についてのちょっとした確認だった
「いや、一人で仕事させちゃってこっちこそごめんな」
13:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:50:52.09 ID:/+6dON6q0
ふと、鞄を開けてみる
中には仕事の資料と、少しだけ汚れてしまったペンダントの箱
半年前くらいに買ったものだが、ずっと渡す機会を逃してしまっている
給料の三ヶ月分と言いながら渡せば格好がつくのかもしれない
14:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:52:48.24 ID:/+6dON6q0
「あ、おかえりさない。ちょっと長かったですね」
「え?ああ、少し複雑なところがあって」
徳利を持ち上げると、まるで空かと思う程軽くなっていた
15:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:54:31.02 ID:/+6dON6q0
「店主さん、会計いいですか?」
「お?帰っちまうのか。おっさん寂しいなあ」
「もういい時間ですしね」
16:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 20:57:20.59 ID:/+6dON6q0
「じゃあ、また明日」
店の前でそう言う
「おやすみなさい」
17:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 21:00:11.74 ID:/+6dON6q0
ふと鞄の中の箱が気になる
本当にこのままでいいのか?
一生これで、一生後悔しながらで
18:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 21:02:04.48 ID:/+6dON6q0
足を止める
躊躇いを消し去るように
箱を握りしめる
弱さを投げ捨てるように
19:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 21:03:27.83 ID:/+6dON6q0
「あの、プロデューサーさん!」
20:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 21:05:59.54 ID:/+6dON6q0
「・・・え?」
「・・・あれ?」
「あ、音無さん。何ですか?」
21:名無しNIPPER[sage]
2015/01/11(日) 21:08:25.65 ID:/+6dON6q0
「・・・。」
「・・・。」
目の前には驚いた顔で立っている音無さん
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