7:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/12(月) 00:59:19.65 ID:GdVxBNigO
この人は、私がモデルをやっていたことを知っているのだろうか。笑顔なんて、いくらでも出来る。
ニコッと、いつものファインダーに向ける笑顔を一つ。
これでNGが出ることは今まで一度も無かった。
笑顔には自信があるんです。いえ、どんな顔でも自信はあります。そのための仮面をいくつも作ってきたから。
「…」
「どうですか?」
「…」
「あの…何か言っていただけるとありがたいのですが」
「…いえ、特に感想はありません」
「えっ?」
「今後はボイストレーニング、ダンスレッスンをお願いします。
トレーナーさんがいますので、彼女の指示に従ってください」
「あ、は…はい」
何だろう。何なんだろう。この違和感は何なのだろう。
彼は私の笑顔をじっと見ていたけれど、そこから何を読み取ったのだろう。
「それでは私は外回りをしてきます。まずはアイドルとしての基礎を身に付けてください」
「は、はい」
全くつかめない人だ。あの三白眼は、私の何を見たのだろうか。
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