過去ログ - 紬「真夜中のいちご」
1- 20
21:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:12:46.20 ID:sdjP5j9j0

帰り道は行きよりも怖さが薄れた気がする。
きっと一度通った道だからだ。

「ねぇ澪ちゃん」

「なに」

「ごめん。わたしさっき、嘘ついてたの」

澪ちゃんは黙ったまま、わたしの方を見つめている。
わたしは澪ちゃんを見ないまま喋り続けた。

「本当はね。澪ちゃんとりっちゃんにはロミオとジュリエット、似合わないと思ってたの」

「どうして」

「…ほら。ロミオとジュリエットって、不幸な話でしょ。
 澪ちゃんとりっちゃんにはそんな話似合わないよ。

 わたし、ふたりが主演になるって決まったとき、台本大幅に変更しなきゃって言ったじゃない。
 あれは本当なの。ハッピーエンドにしたかったの」

「それじゃあロミオとジュリエットにならないじゃないか」

「…そうだね。だからふたりにはこの話が似合わないよ。だから…」

「だから…?」

わたしは大きく息を吸い込んだ。
心臓の鼓動が階段を上るテンポを追い越してリズムを刻んでいる。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
132Res/82.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice