過去ログ - 紬「真夜中のいちご」
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46:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:30:06.81 ID:sdjP5j9j0

「…」

「…」

「…あのさ」

「…なぁに」

澪ちゃんが左手に持ったストローをぐるぐると回し、

「…今日、ちょっとつらいことがあって」

「…うん」

それにつれて、アイスコーヒーの中身もぐるぐると回り、

「ひとりでいたくなかったんだ」

「…うん」

グラスの中の氷が鳴らすからからという音が店内に響いた。

「でもみんなと一緒なのもつらくて」

「……うん」

ストローを回す手を止めても氷はコーヒーの中を泳ぎ続け、

「……だから帰りたくなかったんだ」

だんだんと動きは緩やかになっていき、

「ムギがいてくれてよかった。ありがと」

「…介抱してくれたひとが、つぶれて介抱されたひとにいう台詞じゃないね」

しばらくして動きを止めた。

「…ハハ。そうだな」

「…フフ。そうよ」

桃色をした澪ちゃんの唇が、ストローに触れた。



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