13: ◆tr.t4dJfuU[saga]
2015/01/15(木) 17:32:10.64 ID:59smtw3F0
?「提督。第一艦隊、ただいま帰還しました」
ふと我に返ると後ろから凛とした声がした。
あぁ…彼女たちが帰ってきたのか。
先刻まで輝いていた夕日は、もう水平線に沈んでしまっていた。
俺は振り向くことをせず、会話を続ける。
提督「ご苦労、損傷は?」
我ながら冷たい反応かもしれない、しかしこれ以上言葉を続けるつもりも無かった。
?「第一航空戦隊、赤城、加賀、鳳翔、時雨、若葉、すべて損傷軽微。第六駆逐隊は・・・」
?「第六駆逐隊!暁!響!雷!電!みんな無傷よ!当然の結果ね!」
凛とした声を遮って元気な声が聞こえてきた。
?「これも暁のおかげよね!」
?「司令官!雷も頑張ったんだから!褒めてくれてもいいのよ!!」バシバシ
?「あのっ!電も頑張ったのです!!」ポンポン
そんな声と共に足元に寄ってきたのは雷と電。
まだ甘えたい盛りなのかもしれない、俺は顔を見ずにそのまま頭をくしゃくしゃと撫でてやる。
電「今日も・・・お顔をこちらに向けてはくれないのですね・・・」
先ほどまでの声とは打って変った悲しい声。
このままここにいては、いけない。
俺はそう感じた。
なにがどういけないのか、俺にもすべてを把握できているわけではない。
だがしかしこのままでは後ろの連中も動かないだろうし。
何より理不尽な怒りを、彼女たちにぶつけてしまいそうで怖かった。
提督「今夜は冷えるぞ。」
そう言うと共に踵を返すと、皆一様に俺を見ていたと思う。
俺は彼女達には目もくれず、先の道を一点見つめた。
俺はいつからか、彼女たちの顔を見れなくなっていた。
その理由ははっきりとわかる。
俺はきっと、自分にはもう戦う力が無いという現実を・・・いまだ受け入れられないのだ。
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