過去ログ - 澪「ずっと、あなたが好きだった。」
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33:名無しNIPPER[saga]
2015/01/15(木) 22:49:01.84 ID:Y0jxl3IJ0
その日の晩。曜子から電話がかかってきた。
シャワーを浴び終えたばかりだった私は、慌てて電話を取ると、職場から呼び出されたと嘘をつき、まだ湿っている髪もそのままに彼のアパートを飛び出した。
曜子は私のアパートの前に立っていた。
「ごめんね、急に」
「困るよ」
私は不愉快な感情を隠さなかった。
曜子がこんな行動を取るのは初めてだった。
私は今まで私が築いてきた「普通」の生活が揺らぎ始めていることに恐れを感じていた。
「あら、髪、湿っているじゃない」
「いいよ、そんなこと、どうでも」
「よくないわ、風邪ひくわよ。冬だもの。1月よ、今」
「そんなことどうだっていいって言ってるだろ。なんで急に電話なんてしてきたんだ」
「何を怖がっているのよ」
「何も怖がってない」
「怖がっているわ」
「怖がってない!」
「大きな声を出さないで…取りあえず中に入れて。いいでしょ?」
扉をあけて、私が先に部屋に入る。
私について部屋に入った曜子は後ろにまわして右手で鍵を締めた。
「ねえ、澪」
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