3:即興・遅筆・駄文です[saga]
2015/01/15(木) 23:14:47.54 ID:7tGAuO9v0
私は、やっぱりダメな子でした。
あの人を、あんなに困らせて。
一世一代の勇気を振り絞って、思いの丈をぶつけたけれど。
やっぱりあの人はどうしたらいいのか分からないような顔をして。
そして、歯を食いしばって頭を下げた。
『ごめん』
さっきから、頭の中でグルグルと再生され続けている。
『お前に、魅力がないってことじゃないんだ。ただ・・・・』
ただ、の後に彼は続けなかった。
でも、私にはわかった。
きっと、あの子の事を考えているんだろうなって。
ううん、分かったんじゃなくて、分かってた。
あの人の、あの子を見る視線が。
あの人の、あの子と話す声が。
特別だって、気付いてた。
あの人は、必死に隠そうとしていたと思う。
実際に、隠れていた。
でも、私にはわかってしまった。
ずっと、ずっと見つめていたから。
気付いてしまって後悔した。
私なんかには勝ち目がない事も、はっきりと分かっちゃったから。
だから、この初恋にけじめをつけようと思って、告白した・・・んだけど。
結局、私は自分の事しか考えていなかったみたい。
これじゃあ、私に振り向いてもらえないのも当然だよね。
「・・・・ごめんなさい」
話し終わって、私が帰るまで心配そうに見ていた彼の顔を思い浮かべて囁く。
「明日からは、きっと、きっと元気になりますから・・・・・」
「駄目だって、分かってたんだから・・・」
「だから、今だけは、泣くのを許して下さいね」
16Res/11.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。