過去ログ - 【艦これ】吹雪「司令官を建造します!」【フロム】
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15: ◆4P/4S/bcMwOI[saga]
2015/01/17(土) 02:40:51.80 ID:xEj002BG0



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 進行方向の敵影に気が付いたのは100隻深海棲艦隊の先頭を行く軽巡ヘ級であった。
 それは見たことも無い人型を模した白い機械。白い敵(ホワイト・グリント)。
 軽巡ヘ級は周囲の仲間達に合図を送り、仲間達もそれに答えてくれる。

 軽巡ヘ級がホワイト・グリントに艦載砲を向ける。
 回避行動に移る様子はない。
 頭部の青白く光るカメラアイでこちらを見ているだけ……。

 仲間の駆逐艦達もそれに続き同じ標的に艦載砲を向け、同時に発砲する。
 大きな音が重なり響く。
 もう何をしても間に合わない。
 砲弾は、敵を必ず捉える。
 軽巡ヘ級はそう確信する。

 次に風を切る音が聞こえ――ホワイト・グリントの姿は消えた。

 砲弾は標的に当ることなく真っ直ぐ飛んでいく。
 当たるはずの砲弾が避けられた。ありえない。
 驚きながらも軽巡ヘ級は消えたホワイト・グリントを探す。
 軽巡ヘ級の右隣から大きな爆発音がした。

 ――風を切る音が聞こえる。

 軽巡ヘ級は右隣を見る。
 黒い煙を上げて沈んでいく、仲間の姿駆逐ロ級が見えた。
 そこにホワイト・グリントの姿は何処にもない。
 後ろの方から爆発音が何度もした。

 ――風を切る音が聞こえる。

 軽巡ヘ級が振り返ると複数の黒い煙が立ち上るのが見えた。
 近くで沈んでいく仲間、軽巡ホ級や駆逐ハ級達の姿も見える。
 そこにホワイト・グリントの姿はない。
 軽巡ヘ級の左隣で爆発音がした。

 ――風を切る音が聞こえる。

 軽巡ヘ級が左隣を見ると黒い煙を上げ沈んでいく、大勢の仲間達の姿があった。
 そして、軽巡ヘ級は気がつく。自分以外は周囲に誰も居ないことを……。
 急ぎ、ホワイト・グリントを探す。

 ――風を切る音が聞こえる。

 左右に敵は居ないのなら、すでに背後へ……。
 軽巡ヘ級は急ぎ振り返ろうとした瞬間――

 ――近くで風を切る音が聞こえた。

 それは軽巡ヘ級の隣から聞こえた。
 音の聞こえた方へとゆっくりと顔を向ける。
 視界に映るのは銃口をこちらに向けるホワイト・グリントの姿。
 ホワイト・グリントはトリガーをゆっくりと引く。
 重い銃声が聞こえ、軽巡ヘ級の意識はそこで途切れた。






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