過去ログ - 【艦これ】提督「目が覚めたら女になってた」Prinz「その5ですよ、Admiralさん!」
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974: ◆Wb.6SYbOec[saga]
2015/01/21(水) 22:05:13.76 ID:Ic1Uer5uO




「わぁーっ! 暫く見ない間に街も変わりましたねぇ」

「もう冬だからなあ……」

吐いた息が白い。
風に当たる顔が冷える。
繋いだ手から温もり消えるのが嫌で、強引にコートのポケットに突っ込んだ。

自然、その手に引っ張られ二人の距離が縮まる。

「えへへ……」

はにかみながら密着すると、そのまま腕を絡める秋月。
決して豊満ではないが、確かにある膨らみが押し付けられ、形を変えた。

「……」

「司令。目がイヤらしいですよ?」

煩悩が見抜かれた。
察しの良い子は嫌いだよ、秋月さんや。

「……っ」

握った手の握力が強まる。
彼女の視線の先、追うまでもない。
街は発展すれば都会になる。そして、都会になれば、インフラは基本的に整う。

街は彼女の苦手な色ーー赤色だらけだった。

「秋月、深呼吸。大丈夫だから、落ち着いて」

街に下りたのは、秋月とデートしたかったという事もあるが、この赤色に対する拒絶をどうにかしてやりたいと思ったからである。

余計なお節介なのかもしれない。
秋月はあの村に居る限り、頻繁に赤色を見る事はないだろう。

「すぅ……はぁ……。司令、すみません……」

だが、それでも限界はある。
血を見て取り乱すのはまだ良い。
自分の努力で如何様にでもなる。

しかし、赤色は世界に溢れすぎている。
しかも、赤は暖色に分類される。冬にかけて増えることは目に見えて分かっていた。

「良いんだ。こうやって街に来れるまで進歩したんだ。ゆっくりと治していこう」

「はい。迷惑かけて申し訳」

「ーー秋月」

「あっ……。有り難うございます、ですね、司令」

謝罪を遮る。
彼女は一瞬驚いた様に目を見張り、すぐに微笑んだ。

「まあ……救うって誓ったしな」

照れ臭くて空いてる手で頬を掻く。
言葉が聞こえたのかどうかは分からないが、秋月はただ嬉しそうに笑っていた。



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