8:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:52:12.67 ID:VuGb7MUjO
きーこーきーこー。
隣のぶらんこが揺れる音。
袖で涙を拭いて、盗み見るように隣のぶらんこを確認。
9:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:52:48.79 ID:VuGb7MUjO
「必要になったら言ってください。お貸しします」
借りれるわけがない。
「…」
10:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:53:28.03 ID:VuGb7MUjO
「…」
「…あの」
「はい、何でしょう」
11:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:54:13.94 ID:VuGb7MUjO
「何で、ボクがいじめられなきゃいけないんでしょうか…」
「…」
「ボクは何もしていないのに、ただ、悪口に反論しただけなのに、何で…」
12:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:54:54.64 ID:VuGb7MUjO
「あ、いえ、ブスかどうかという事ではなくて」
「…?」
「きっと、貴女が魅力的だから、接点がほしくてそんな言葉を言ったんじゃないかと」
13:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:55:31.27 ID:VuGb7MUjO
「もし明日、貴女がブスだと言われたら、相手の目をじっと見て」
「…じっと見て」
「ニコッと笑ってみてください」
14:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:56:17.10 ID:VuGb7MUjO
「信じぬいたその先に、きっと素敵な魔法が待っています。
貴女が信じた自分自身の笑顔は、誰かに魔法をかけます」
「…魔法?」
15:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:56:46.04 ID:VuGb7MUjO
すっと、彼はぶらんこから立ち上がります。とても大きくて、壁のような人です。
「あ、あの!」
「はい?」
16:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:57:19.24 ID:VuGb7MUjO
変わるのだろうか、変えられるのだろうか。
たった一つの笑顔だけで、世界が変わることなんてあるのだろうか。
でも、あの人は言ってくれた。ボクはカワイイと。ボクの笑顔は人を魔法にかけると。
17:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:58:10.17 ID:VuGb7MUjO
今日も教室は変わりなく、ボクの存在を受け付けてくれていないようです。
ですが、そんな些細なことはもうどうでもいいような気がします。
変えられる、きっと変わる。ボクが知らなかった笑顔の魔法で。
18:名無しNIPPER[saga sage]
2015/01/18(日) 23:58:38.05 ID:VuGb7MUjO
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