過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」04【安価】
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656: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/24(土) 21:07:02.79 ID:m/IKqfgmo

 タクシーに先に乗り、後から伊58に声を掛ける。

 先に伊58を乗せようと思ったのだが、尻込みしていた彼女を無理に押し込めるわけにはいかない。

 なので俺が先に乗り、手を引くように伊58を呼ぶ。

伊58「……んう」

提督「安心して大丈夫だ」

伊58「……ん」

 怯えながら伊58が後部座席に乗る。

 こちら側にやや背を向けるように、ちょこんと端に座る。

 動き出したタクシーに少し顔が強張った。

 窓の一番下、ドアのせり上がった部分に両手を乗せ、外の景色を見る伊58。

 鎮守府以外の光景に興味津々といった風にも見えるし、或いは密室に慣れない人と居る事に戦々恐々と言った風にも見える。

 小さい口を少し開けたまま、きょろきょろと街並みを見回す。

 なんだかそれが子供のように見えた。

伊58「……」

 流れる景色を左に見ては、再びまた右に視線を向ける。

 先ほどまでは不安と興味が半々だったその表情は、道を進むたびに興味へと濃度が増しているようにも見えた。

伊58「……わぁ」

 時折舌っ足らずな声で感嘆する伊58。

 睦月も相当に甘い声ではあるが、伊58もまた幼さの残る声だ。

 睦月よりも春雨の方が近いだろうか。

伊58「……」

 赤信号で車が止まる。

 いつの間にか窓にぺったりと両掌をくっつけた伊58が、外の景色をじっと見つめる。

提督「伊58、何か気になるものでもあるか?」

 少し気になったので声を掛けてみる。

 伊58は振り向くことなく、窓に顔を近づけたまま答えた。

伊58「ん……とね。知らないもの、ばっかり」

 鎮守府によって細かなルールは違う。きっと伊58が以前居た鎮守府はあまり外出を認めなかったのだろう。




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