過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」04【安価】
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864: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/26(月) 00:20:16.24 ID:BYw6X1W8o

伊58「い、う、んぐ……!」

 更に身体が沈んでいく。

 水を蹴る足が、鉛のように重い。

 まるで手応えさえ感じられない。自分が進んでいるのか、戻っているのかもわからないのだ。

 いや、進んではいる。が、それは横へではなく、下へ、それも彼女の意思とは逆の方向に、だ。

 水深八十メートル。

伊58「ん、ぐっ、げほっ」

 喉に絡みつく違和感を覚え、そして戦慄した。

 ……リミットが、迫っている。

 潜水艦として潜っていられる命の限界が、見え始めたのだ。

伊58(な、んで、こんなすぐ!?)

 慌てふためく彼女だったが、しかしそれは当然といえば当然だった。

 休みさえない過酷な労働で疲弊した身体。

 深海棲艦に傷つけられた身体。

 大雨で体温を奪われ、冷静な思考能力を奪われ、そして潮流に逆らうとして体力も奪われた。

 加えて、海中を深く潜りすぎて、水圧さえもが彼女を苦しめた。

 何一つとして彼女の味方はなかった。

 全てが彼女を、絶望へとおいやっていった。

 もはや半日はおろか、数時間だって彼女は潜っていられなかったのだ。

 水深を深く潜れば潜るほど、加速的に彼女の命が絶たれようとしている。

伊58「ぐ、ごぼっ……」

 水深九十メートル。

 水深百メートル。

伊58「……」

 そこで彼女の意識は途絶えた。




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