11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/31(土) 07:08:15.04 ID:gIml3InZO
さやかは何も言わなくなった僕に対して「ごめんね」と声を掛け帰った。
「ごめんね…か」
彼女が謝ることなんて一つもない。
だってこれは僕が望んだことだから。
僕が捨てたものだから。
だったら。
なんのごめんねなんだ?
そばにいてやれなくて?
守ってあげられなくて?
馬鹿馬鹿しい。
自分がそんなことを思ってもらえるほどできた人間じゃないことくらい。
嫌と言うほど知っている。
汚いね。
醜いね。
それでも。
生きることをやめようとは思えないほど。
僕は弱いんだ。
「ふふ、あはは」
笑いがこみ上げる。
もう収まりそうにない。
「あはははは」
不思議と。
病室に響く僕の笑い声は。
バイオリンよりも美しい音色のように思えた。
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