2:名無しNIPPER[sage]
2015/01/21(水) 00:12:31.79 ID:URlKmTQl0
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「…………ぁ……」
綺麗すぎるその光景は、どうせ夢なのだろう……その感情が芽生えてすぐに、意識は一気に現実に引き戻され、私は目を覚ました。
身体は少し汗ばんでいる。抱きかかえてくしゃくしゃになった暑苦しい毛布から身を離し、深呼吸をする。
外はまだ薄暗い。手探りで枕元の携帯をとり、その眩しい光を直視しないように薄目で時刻を確認する。
午前4時15分。まだ寝ていていい時間だった。
目を閉じて携帯を置き、毛布に足だけ突っ込んで体勢を変える。
私は、もう一度、夢の中にいきたかった。
あの綺麗すぎる甘い夢は、今日初めて見たものではない。過去にも何度か見たことがある。
そして、それは単なる作り上げられた夢ではないこともわかっていた。あの夢は、確かに遠い過去に起こった事実を元にしたものなのだ。
何歳だったのかも覚えてない。どこでの出来事だったかも覚えてない。
けれど、あの満開の花畑の中で交わしたキス。
あれが私、大室撫子のファーストキスだったのだ。
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