過去ログ - デレマスP「芸能街？」【I×『C』】 -SS速報VIP

過去ログ - デレマスP「芸能街？」【I×『C』】

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1:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:23:15.42 ID:4azb7+G90
「…せめて、名刺だけでも」

声を掛けた女子は、無言のまま彼が差し出した両手の先をすり抜けて行った。
「………」
男は深く息を吐いて彼は空を仰いだ。彼の仕事はアイドルのプロデューサーである。大手芸能プロダクション・美城プロが新しく発足したプロジェクトに携わっていたが、土壇場で欠員が出たため急遽人員を補充することになった。彼は自ら街に繰り出して勧誘に努めたが、その成果は芳しくはなかった。

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2:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:27:23.05 ID:4azb7+G90
（出来ればあと何人かスカウトしたかったのだが…）
眉間に深い皺を寄せて彼は振り返った。その長身は人混みを見渡して余りある。腕時計に目を遣ると、二本の針は頂上間際を指し示し、いよいよ刻限が迫ることを主張した。
（仕方ない。この辺りが潮時か）
僅かに未練を滲ませ通りを眺め、彼は踵を返した。

3:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:28:06.28 ID:4azb7+G90
「アイドルプロデュースに興味がおありですか？」

4:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:30:41.44 ID:4azb7+G90
シャン。目の前に一人の女がいた。否、彼女以外には誰もいなかった。一瞬前まで騒々しかった通りには人っ子一人おらず、街は灰色に沈んでいる。ステッキを携え黄緑色のスーツに身を包んだ女は、にっこりと微笑んで彼を見上げた。その尋常でない雰囲気に飲まれ彼は言葉を失くした。
「…貴女は？」
辛うじて喉から声を絞り出す。女は手を合わせて頷いた。
「これは申し遅れました。私は芸能街ミダスプロ事務員、千川チヒロと申します」
「ミダスプロ…？」

以下略

5:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:31:32.48 ID:4azb7+G90
「先日のフェスでプロデューサーに欠員が出てしまいまして、急遽補充することになったのです。そこで無作為に選ばれたのが貴方なんです！おめでとうございます！」
腕を広げて笑顔を振りまくチヒロ。彼は話を捉えきれず首に手を当てた。
「…私は既に美城プロのプロデューサーです。異動というのは…」

6:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:34:27.11 ID:4azb7+G90
「ご心配なく。私達が提供するのは肩書ではなく……アイドルです」

耳元で囁く声に驚き彼は振り向いた。ぴったりと背後に寄り添うチヒロに身を引く間もなく彼女は彼の目を覗き込んだ。
「もっと効率よく、ファンを稼ぎたくありませんか？」
人間離れした目の色にたじろぐ。

以下略

7:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:37:03.23 ID:4azb7+G90
「なっ…！？」
思わず仰け反った彼の前に炎が蟠る。それは不定形に揺らぎ、やがて人型を取って彼の前に降り立った。
黒い衣装を纏った長髪の少女。一見して普通の少女に見えるが、その両側頭部からは蒼い湾曲した角が生えている。
少女は彼を頭から爪先まで眺め回し、特に感慨も無さ気に呟いた。

以下略

8:名無しNIPPER[sage]
2015/01/21(水) 01:37:34.05 ID:HyC4kGYG0
Cのスレが建ってるだけで嬉しい

9:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:38:02.26 ID:4azb7+G90
チヒロがステッキで彼方を示す。遠くの灰色のビルの陰に一人の男が立っていた。細身の男の四角縁の眼鏡の奥で鋭い眼が光る。
「ライブバトルとは…」
チヒロを仰ぐがその時には彼女の姿はどこにもなかった。
男達の背景のビルにそれぞれの側から蒼と赤色の円が昇り、中程で衝突した。
『live start』

10:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:42:49.22 ID:4azb7+G90
両者が掲げたカードから響く音声が、開戦を告げた。

11:名無しNIPPER[sage]
2015/01/21(水) 01:44:41.37 ID:shNrpAtf0
チッヒが真坂木ポジとか、はまり役過ぎるな……

12:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 01:45:50.64 ID:4azb7+G90
（今日はここまで。こういう形を取るのは初めてで色々アレ。『C』とは少し前に放送していたアニメ。面白いよ！）

13:名無しNIPPER[sage]
2015/01/21(水) 01:50:58.27 ID:kcqBuHiVO
花火とかいう謎の人物…一体何がしたかったのか
Qと三國は誰になるのかな

14:名無しNIPPER[sage]
2015/01/21(水) 17:05:46.39 ID:tjKPoXbC0
Ｃのssとかここ1、2年じゃあ
円が消えた後の世界での戦い書いてたのしか見たことねーや

こっちも是非とも書ききってほしい
期待期待

15:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 19:27:55.38 ID:4azb7+G90
「へへっ、新入りが相手たァ運がいいな！派手に行くぜ！」
男がカードを撫で、叫ぶ。
「ミクロ一千万！」
『Macro』
リンが素早く上空に目を向けた。彼もそれに倣い息を飲んだ。

以下略

16:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 19:29:45.66 ID:4azb7+G90
「さあミクちゃん！オレらの独壇場だ！」
その声に応えるように小柄な影がリンの前に馳せた。
「はいだにゃ！」
猫の耳のような角を生やしたアイドルが長い爪で襲い掛かる。
リンが両手を翳すと眼前に障壁が現れ攻撃を防いだ。

以下略

17:名無しNIPPER
2015/01/21(水) 19:31:04.97 ID:4azb7+G90
「隙あり！」
いつの間に接近したのか、駆け込んで来た男がカードを撫でる。
『Direct』
ピンクの光の束が剣のように男の手に纏わり付く。
「…ッ！」

以下略

18:名無しNIPPER
2015/01/22(木) 20:03:23.77 ID:1fckA/xB0

以下略

19:名無しNIPPER
2015/01/22(木) 20:07:27.07 ID:1fckA/xB0

二人の周囲に小型の肉球が数個出現した。肉球は壁へ床へ叩き付けられリンと彼は転がってこれを避けた。
建物の天辺からアイドルが飛び降りて来るのを見た。リンに突き飛ばされた彼の足元が破砕される。

悠々と通りに姿を現した男がカードを翳す。ミクのパンチがリンを吹き飛ばし、鋭い爪が壁面に埋まった彼女の首筋目掛け振り翳される。

以下略

20:名無しNIPPER
2015/01/22(木) 20:09:16.75 ID:1fckA/xB0

「ぐおお…ッ！」

『Direct』
苦悶する男が剣をガードする。両者の剣がぶつかり合い消滅した。

以下略

21:名無しNIPPER[sage]
2015/01/22(木) 20:44:27.44 ID:PjH3cxnX0
いいねぇ

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