過去ログ - 少年「『大丈夫だ、もう心配ないぞ。お前は生きていい』だっけ」
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11:名無しNIPPER
2015/01/27(火) 00:12:49.45 ID:XsMo6ytGO
少年「……?」

 近くの草むらが音を立て始めた。
 僕は静かにポケットに入れていたナイフを握り締める、どう対処できるかは分からないが。

 このような空き地であれば、【例え豪雨が降り注ごうが大声を出せば近所の家へと響き渡るだろう。】


少年「…………」


 息を潜め身を低くし身構える。
 一秒という時が薄く伸ばされ、開かれた瞳が空気に晒され乾燥し始めた。

 そして現れたのは、汚れきった子犬だった。


少年「お前か」


 頼りない歩みで草むらから出てきた子犬は、もはや視界も定まらないのか何度も転びながらこちらへと近づいてきた。

 僕はその小さな消え行く命を見つながら、ポケットの中のナイフをゆっくり握り締める。
 子犬は依然として転びながらこちらへと近づいてくると、濁りきった瞳を動かし、はみ出された儘の灰色の舌を動かして。

 ───※※※※の遺体を食べ始めた。

 小さく、小さく、ほんの小さく。

 安易に噛み切れない小さな犬歯を必死に皮膚に突き立てて、いまだに流れ出る血を必用に舐めとり。

 食すという行為に身体を揺らしながら、無垢な卑しさを醸しだしていた。



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