過去ログ - 藤原肇「大事なのは、焦らない事です」
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42:名無しNIPPER[saga]
2015/01/29(木) 14:47:08.53 ID:787NWdhNo

 「……ん? こっちは作った覚えが無いが……間違いか?」

そんな話をしていると、Pさんが首を傾げて。
間違えて他の物も一緒に送ってしまったのでしょうか。
包み紙の中から現れたのは、Pさんのものより一回り小さい、桜のあしらわれた――

 「……っ!?」

 「へぇ、二つも作ったんだ」

 「いえ、俺が作ったのは一つだけなんですが」

もう一つの、とても見覚えのある茶碗には。
やたらと気合いの入った、満開の桜模様が描かれていました。
慌てて視線だけを改めて巡らせてみれば、私宛の箱はありません。
まさか、まさか。

 「……すみませんPさん、どうやら他の物が紛れ込んで、」

 「ああ、手紙も入ってるな。肇の親御さんからだ」

何やら、とてもとても嫌な予感がしてなりません。
私の作品は別に寮へ送ってくれるよう。
何度も何度も、何度も念を押したはずです。
脳裏に、母の不自然なくらいにこやかな笑顔が浮かびました。

 「『プロデューサーさんへ。この茶碗は肇の物ですので、渡してあげてくださいね』……ああ、肇のか」

何故。何故一緒に送ったのですか。
金魚のように口をぱくぱくとさせながら、Pさんから茶碗を受け取りました。


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