過去ログ - 八幡「これはアイツの望んだ世界だよ」千夜「……そうね」
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◆klccEmX7kg
[saga]
2015/01/28(水) 22:11:32.58 ID:oNPorReZ0
八幡「雪……ノ下……?」
「あら、思ったより早かったわね。いいえ、遅かったと言うべきかしら?」
俺の知らない少女はそう言って微笑んだ。顔を見るだけで凍ってしまいそうな微笑に、俺は思わずたじろいだ。
「ふふ……そんなに怯えなくてもいいじゃない。何もしないわよ」
八幡「アンタ……誰だ……? 雪ノ下に何をした?」
「少し眠ってもらっただけよ。死んでいないから安心して」
それにしても────と、彼女は俺の目を見ながら続ける。真っ直ぐに捉える真紅の瞳が、俺の心の奥まで見透かすかのように水面深くまで心を────引き込んでいった。
「あなたの目……ふふ、興味深いわね」
八幡「何のつもりだ……さっき見たピンク色の髪のやつの仲間なのか?」
「ピンク色? ……あぁ、彼女も来ていたの。しぶとい子ね」
そういうと、彼女は左手で髪を梳いた。綺麗な黒髪が靡いて元に戻る。
「さて、いきなりで申し訳ないんだけれど、少し眠ってもらえないかしら?」
八幡「断る」
「即答、ね……まぁ予想通りだわ」
彼女はやれやれ、というような仕草でおどけてみせた。やがて俺の目を真っ直ぐ見据える。
「少し強引にいかせてもらうわ」
彼女の目が大きく見開かれる。その目を見ていた俺は、心の奥を覗かれるようなおぞましい感覚と共に、体の自由が利かなくなった。
八幡「な……ん……?」
「まったく、彼の言ったとおりね。流石と言うべきかしら」
彼女は俺の目を真っ直ぐ見つめたまま、おもむろに携帯を取り出した。
「……ええ、こっちは予定通りよ。そっちは?」
『────』
「…………そう。じゃあ待ってるわ」
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