過去ログ - キタキタオヤジ「北北中学出身、アドバーグ・エルドル」キリッ  キョン「!?」
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134:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 21:17:49.41 ID:K2dvtMGW0
その日の午前の授業中、俺はハルヒの後頭部――時折揺れる尻尾と、その右斜め上あたりにちょこんと咲いている謎の花――を眺めながらぼんやりと過ごした。ハルヒも特に何か言ってきたりはしなかったからな。

そういや校則違反にならないのか、この髪飾り?

まあ、俺は教師でも風紀委員でもないから別にいいんだけどさ。


135:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 21:42:49.64 ID:K2dvtMGW0
思うにだ。

今、考えてみると、この時の俺はハルヒってやつを過小評価し過ぎていたんだと思う。

あれだけオヤジに邪魔されながらも、それをかいくぐるために自分でクラブを作ってどうにかしようなどと考える奴だ。かなりアグレッシブな考えの持ち主だと言える。
以下略



136:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 21:51:49.64 ID:K2dvtMGW0
「キョン、聞いて! 朗報よ、朗報!」

廊下をドリブルで五人抜きするのような速度で教室に飛び込んで来たかと思えば、ハルヒはヘディングするような勢いで俺の目の前まで飛んで来て、逆転ゴールを決めた瞬間のような飛びっきりの笑顔を見せた。朝から現在に至るまでの数時間の間に一体何があったんだ。

「誰も使っていない部室を見つけたのよ! これであたしたちのクラブが作れるわ!」
以下略



137:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 22:15:44.77 ID:K2dvtMGW0
しかしまあ、絶好調時のハルヒが俺の話を聞くはずもない。大きな目をらんらんと輝かせて、

「ホント、あたしも迂闊だったわ。今までずっと見落としていたなんて。なにも元からある部室を拝借する必要なんかなかったのよね。家主に断りを入れる必要もないし、今回は何の問題もないわよ。安心して」

何を安心すればいいんだろう。逆に不安が募るばかりだ。
以下略



138:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 22:30:04.55 ID:K2dvtMGW0
どうもこうもない。

そんな悠長なことを言っている場合じゃなかった。

俺はこの時、無理矢理にでもハルヒの暴走を止めておくべきだったのだ。
以下略



139:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 22:43:27.03 ID:K2dvtMGW0
「ここよ、ここが新しい部室」

着いた先は通称、旧館と呼ばれる文科系部の部室棟だ。昨日、長門とオヤジがいた文芸部もここの建物の中だが、一階と二階の違いがあったし方角が正反対でかなり離れている。「多分あのオヤジにかち合うことはないわ」とハルヒ。流石にその点は考慮しているようだ。

「それよりもスゴいのよ。中を見て驚くと思うわ。机や椅子が一式揃ってたし、最新型のパソコンまで置いてあってネットにも繋がってたのよ。こんないい場所がどこの部活にも使われていないなんて正しく奇跡よね」
以下略



140:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 22:56:30.95 ID:K2dvtMGW0
「ちょっと待て。それはどこかのクラブがこの部室を使っていて、お前が確かめた時には誰もいなかったってだけじゃないのか?」

「違うわよ。あたしはこの学校に登録されてる全部の部活を確かめて回ったのよ。ここはどこのクラブも使ってなくて、完全に空き部屋。鍵だってかかってなかったんだから」

とは言ってもだな。見落としってもんがあるかもしれないだろ。鍵だってかけ忘れたのかもしれない。
以下略



141:名無しNIPPER[sage]
2015/02/02(月) 23:08:01.32 ID:44dTwVU+o
ここでゴチンコwwwwww


142:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 23:09:54.62 ID:K2dvtMGW0
だが、そう声を発した時には、時すでに遅し。ハルヒはドアを開けていた。

中にいたのは中年のいかにも悪人面したひげのおっさん――ではなく、さわやかなスポーツ少年のような雰囲気を持つ細身の男だった。適当なポーズをとらせてスーパーのチラシにモデルとして採用したらコアなファンがつきそうなルックスのやつだ。

そいつは如才のない柔和な笑みを浮かべながら、妖しげな石像の前でパンを尻にはさみ右手の指を鼻の穴に入れ左手でボクシングをしながら「いのちをだいじに」と叫んでいた。
以下略



143:名無しNIPPER[saga]
2015/02/02(月) 23:17:37.84 ID:K2dvtMGW0
「だから言っただろう! お前は何でもかんでも猪突猛進し過ぎなんだ! これ以上変なのとかかわり合いになるのは嫌だぞ、俺は!」

「あ、あたしのせいにするって言うの! あんたが早く言い出さないからいけないんでしょうが!」

ドアを閉めた直後に不毛な言い争い。何であんな変態野郎のことでハルヒと言い合いにならなきゃいけないんだと、俺は不意に冷静さを取り戻してその場から即立ち去ろうと一歩を踏み出した時にはドアが開いてさっきの変態野郎が姿を現していた。しまった、逃げ遅れた!


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